んん...。

ぼんやりとした視界に、

前髪のかすかな隙間から

青い空が映る。

きれいな空だな、

雲がふわふわだ。

「だいじょうぶ?」

「ひぇっ」

不意に声をかけられて、

私は過剰に反応した。

びっくりするなぁ、もう。

...って誰こいつ。

私を斜め上から覗き込んでくるのは、

世に言うイケメンってやつだ。

顔の輪郭、鼻の通り具合、切れ長の目も、

すごくきれいに整っている。

「...だいじょうぶ?」

ゴン!!

再度確かめてくるそいつの顔面を、

私は思いっきりぶん殴ってしまった。