顔を!!!...。

見られた...。

頭がクラクラを越えてグワングワンする。

私が入学してから作り上げてきた殻が、

一気に引きはがされてしまったんだ。

「何で隠すの?」

少し冷静になった声で、松田君が尋ねる。

私はその言葉に心臓が跳ね上がる。

嫌だ。思い出したくない。

怖い怖い怖い怖い!!!!!!

「何だっていいじゃない!!

 あんたに関係ないでしょ!?

 好奇心だけで

 私を探ろうとしないで!!」

私は松田君に背を向けたまま叫ぶ。

ただただ怖かった。

私はこのままどうなるの?

学年に私の顔が知れ渡って、

美人だなんてもてはやされて、

目立って。

目立って...。その先は、考えたくない。

美人。

それは小さいころから

言われ続けてきた言葉で、

いつからか自分の頭にも

インプットされていた。