私達の体はすぐに地面に

たたきつけられて、山の険しい坂道を

ゴロゴロと転がっていく。

私が上に乗っかり

次は松田君が上に乗っかりを

繰り返しながら転がっていく姿は、

はたから見れば団子虫のようだろう。

あぁ。

私はこのまま頭から

大出血して死ぬのかな。

高校、卒業できないのか。

ごめんね、お母さん...。



そう思った刹那、

阪の傾斜がなだらかになった場所で

私達の体は転がるのをやめた。

細長くそびえる木々の隙間から、

ふわふわと動く雲が見える。

ここは、天国??

一度そう思って思い直す。

いや、雲が足元じゃなく上にあるのは、

天国じゃない証拠だ。

大丈夫。生きてる。

生きてるんだぁ....。