私は近づいてくる蛇にビックリして

ザザッと後ろに下がる。

「おまっ、そっち危ねぇぞ!!」

松田君がそう叫ぶけど、

でも、蛇が来てるんだよ!?

無理無理無理!!

ほんと、来ないで!!

そんな心の叫びもむなしく、

容赦なく近づいてくる蛇。

班の皆が危ない危ない言ってるけど、

だったらこの蛇どうにかしてよぅ。

私はどんどん後ろに下がっていく。

「だからお前危ねぇって!!」

そう言った松田君が

私の腕をつかむのと、

私の足元の土がもろく崩れて体が

バランスを崩すのは同時だった。

私と松田君は後ろに倒れていく。

こんなときでも整っている

松田君の顔。

目を見開いている皆の姿。

さっきまで私に向かって

動いていた蛇までもが、

一瞬止まったように見えた。

しかしその瞬間は長く続かず、

私達は空中に投げだされた。