そんなこんなでぺちゃくちゃ

しゃべりながらの山道だったが、

30分もすると皆疲れて、

誰もしゃべらなくなった。

浜崎さんがしゃべらないなんてレアだ。

私はひそかに感動しながら、

でも確かな疲労を感じていた。

「次にスペースがあったら休もうか」

皆のお疲れモードを読み取って多賀君が

そう言った直後だった。

「きゃーーー!!!!!!!」

突然浜崎さんの叫び声が響く。

何事??

本当にクマが襲いかかってきたのかと

思うほどの叫び声。

私、動物は苦手だ。

カエルでも、昆虫でも、

捕まえれる自信はない。

もしも私の嫌いなものだった時、

すぐに逃げられるような体制を作って

後ろを振り返った。

「へ、へ、蛇ぃぃぃぃぃぃ」

浜崎さんが近くの木にしがみついて

情けない声をあげている。

蛇????

本当に????

やだやだ、気持ち悪い。

私が足元に目線を動かした瞬間。

サッと素早い動きで黒い影が黒木さんの

足元を通り抜け、こっちに近づいてきた。

「ぃやっっっ!!」