「私の傷、軽傷ですみましたけどこれが大怪我になってたらどうなってたか!」

「すみません。」

「まぁ、校長先生の判断でこの事は内密にさせていただきました。」

龍に落とされた先生は副担の清水先生だった。

龍は一緒に座っていて、俯いていた。ズボンをぎゅっと握りしめていた。それをみた海斗は龍の手に自分の手を重ねた。

そして小声で、お兄ちゃんは悪くないと呟いた。

「絶対、病気ね!人がせっかく誉めていたのに!」

海斗は頭にきたのか長机に足を勢いよくのせた。

「うるせぇ。兄ちゃんはなにも悪くない!そっちが悪い。兄ちゃんを前から傷付けて。」

「こら、海斗。」

「おばさんは黙ってろ。」

「...海斗。」

「てめぇ、兄ちゃんに褒めたときなにした?」

「頭を撫でて笑ったのよ!」

「それだよ!」