まだ、どこかに石原さんのことを好きという気持ちを認められない自分がいる。



「ねぇ、石原さん。石原さんの好きってどういうの?」


「えー、なにそれ照れるなぁ」



照れてないで答えてよ。
こんな質問で照れるとか、あんた今までどれだけ照れるようなことをしてきたと思ってんだよ。



「…………私は、今井くんが好きだから。今井くんと一緒にいるだけで嬉しいの。同じ空間にいるだけで。話せるだけで。いつの間にか、目で追っちゃって、ほかの女の子と話してたら嫉妬しちゃって。一緒にいると、ドキドキしたりキュンキュンしたり?」



石原さんは、自分の胸に手を当てて俺を見ながら続けた。



「今井くんのことを考えるだけで…涙が出たり。でも、やっぱり一番は…今井くんといる時が1番…誰といるよりも1番…笑顔でいることができて……今井くんの隣が私の定位置で安心する場所なんだ」



石原さんは、最後に俺にニコッと笑いかけて、再びキンギョハナダイを見た。