「今井くん」
さっきまで目の前の魚を見ていた石原さんが俺を見る。
「どうしたの」
「私、今井くんを好きになって良かったと思ってる」
もしかして、さっきの独り言聞こえたのか?
「もし、今井くんが私を振ったとしても……後悔はしないよ。それでも私は今井くんのことが大好きで諦められそうにないから」
「往生際が悪いね」
こんなに、真っ直ぐに俺に気持ちをぶつけてくれる人は今までにいただろうか。
こんなにも、俺のことを好きだと体で表現してくる人はいただろうか。
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