彼は永遠の王子様!?


篠崎 乃愛(しのざき のあ)
たいして可愛くもない普通の女の子
元生徒会長(まだ生徒会には所属している)
女子力アップ部に所属
多く恋愛をしているが、誰とも付き合ったことがない。


篠原 裕基 (しのはら ゆうき)
乃愛のクラスメイト
バスケ部に所属
多くの女の子と付き合ったことがある。
しかし、どの恋愛も長続きしない。
自分から好きになるのはマネージャーばかり
顔がカッコいいためモテる。
特に後輩からはすごくモテる。

紅 杏里 (くれない あんり)
乃愛の親友
隼人の彼女
裕基と隼人の元クラスメイト(今はクラスが違う)
可愛くて性格も良くてフランス人形みたいな女の子
異性だけでなく同性からも好かれている。


村田 隼人 (むらた はやと)
杏里の彼氏
裕基の親友
裕基と乃愛のクラスメイト
おちゃらけなムードメーカー

追加があるかもです。
立花 奈々(たちばな なな)
現生徒会長
乃愛と同じ女子力アップ部に所属

月次 将暉(つきなみ まさき)
生徒会副会長

他にも生徒会メンバーは出てきますが、主に登場する2人だけ書きました。


彼と出会ったのは、高2の数学の授業である。

私たちが通う学校は、授業ごとに教室やメンバーが変わる学校なのである。

ある日の授業中

先生「では、この問題は誰に解いてもらおうかな………」

乃(分かってるけど当てないで!書きに行きたくないから(汗))

ザワザワ

先生「そうだな…………篠原!喋ってばっかりいるな!じゃあ篠原が問1な。」

先生「問2は………乃愛!やってくれ!」

乃「あ、はい。」

(当たっちゃったよ(泣))

乃「先生、でもなんで乃愛なんですか?」

先生はいつも解答者を当てるときは法則とかルールがある。


先生「篠原、篠崎、名字が似てるからだ!」

乃「えっ!それだけ……。」

(名字が似てるだけで当てられるのなんかイヤだな…。)

休み時間

数学の授業の話をしに杏里のクラスまで来た。

乃「杏里〜!さっきの数学で当てられちゃった(泣)」

杏「知ってる!裕基のせいでしょ!」

乃「えっ!杏里、その子知ってるの?」

杏「うん!だってクラスメイトだし、隼人の親友だからさ。」

乃「へぇ〜。その子ってどんな子?」

杏「篠原裕基。バスケ部に所属していて、授業中は寝てるか喋ってるかのどちらか。追試常連組って感じかな。でも、性格はいい方だと思うよ!だから、乃愛は知らないかもしれないけど、クラスではいつも一緒にいるし、一緒にいると楽しいし!何⁉︎気になるの?」

乃「そんなんじゃないから(笑)」

杏「まぁ、裕基には彼女がいるしね!」

乃「だから、違うってば!」

そんなやりとりを廊下でしていた。

それが彼を知った瞬間だった。
高3の春

始業式の日

この日は新しいクラスが発表される。

この学校は、2年のクラスで始業式に出て、その後旧クラスで新クラスの紙が貼り出されるのである。

始業式の後

杏「乃愛〜!新しいクラス楽しみだね!杏里は乃愛とは同じクラスになれないけど…。」

乃「そんなことないよ!乃愛、成績落ちたから進学クラスから外れるかもしれないし…。」

そう、この学校には学年で1クラスだけ進学クラスというのがあり、希望者が入れるというクラスなのだが、私たちの年は希望者が少なく、成績優秀者が強制的に入れられたのである。

乃愛もその一人である。

杏「そんなこと言って、でもまだ国公立大志望なんでしょ⁉︎」

乃「うん。そうだけど…。」

杏「なら、進学クラスから外れることはないと思うんだけどなー。」

乃「そうなんかな…。」

先生「そろそろクラス発表するから教室に入れよ!」

乃・杏「はーい!」

乃「じゃあ、また後でね!」

杏「うん。バイバーイ!」

そうして私たちはそれぞれの教室に帰った。

先生「じゃあ、そろそろ発表するわね!これが新クラスです。見に来てくださいね。」

黒板に貼り出された紙をみんな見に行く。

他のクラスからは悲鳴や叫び声が聞こえる中、このクラスは希望者はクラス替えがなく、他の人もそこまで関心がないため静かである。

人がいなくなった頃、私は見に行った。

篠崎 乃愛 3520

私は、3年5組20番という意味である。

乃「また、5組かぁ。」

5組とは…………そう!進学クラスである。

しかし、私は紙を見て思った。

佐野 葉月 3518
篠崎 乃愛 3520
鈴木 裕翔 3522

あれ。私の番号の前後は新しく入って来るんだ!

どんな子だろう。女の子がいいな。

先生「じゃあ、みんな新しいクラスに移動してね!」

全員「はーい!」

35HR ここだ。

20だと真ん中の後ろから2番目か。

杏「乃愛〜!やっぱり5組だったんだね!杏里は3組だったよ!去年よりも遠くなっちゃったね。」

乃「そうだね。そういえば!杏里、隼人くんは何組だったの⁉︎」

杏「隼人は、5組。乃愛と同じ進学クラスになっちゃった…。違うクラスになるとは覚悟してたけど、進学クラスに行っちゃうなんて…。」

乃「そんなに落ち込まないで、乃愛いるし、いつでも会いに来れるよ!」

私たちが廊下で話していると、

隼「あれ、杏里!また乃愛と話してるの⁉︎」

?「隼人が恋しくて会いに来たんじゃねぇの(笑)」

杏「そんなことないから!純粋に乃愛と話したかっただけだから!ってか、裕基、杏里よりも頭悪いのに、どうして進学クラスなのよ!」

裕「それは俺が、国公立大志望だからだろ!」

杏「まだ国公立大志望だったんだ〜。本当は5組になりたくて、同じクラスになりたくて志望大学変えたんじゃないの!?妖笑」

裕「俺だって国公立大に行けるってことを証明するために変えたんだよ!バーカ!」

杏「バーカとは何よ!バカな隼人にバカって言われたくないんですけど!!!」

杏里たちがそんな言い争いをしている中

乃「ねぇ。隼人くん。あの子って篠原裕基くんだよね⁉︎」

裕「そうだよ!ってか、何で乃愛、裕基のこと知ってんの⁉︎まさか〜」

乃「そんなことないから!もう!カップルで乃愛をからかわないでよ!」

隼「じゃあ、何で⁉︎」


乃「それは………………ただ名字が似ていたから。今まで似ている名字の人なんていなかったから。しかも、篠崎って篠原と間違えられること多いから…。」

隼「へぇ〜。そうなんだ!」

そんな話をしていた。

裕「おい、隼人!お前の彼女どうにかしろよ!」
隼「ほら、杏里。裕基の相手してたら疲れるだけだよ!」

裕「おい!どういうことだよ!」

杏「あっ!先生来たから、教室に帰らなくちゃ!」

杏里が言った通り、先生たちが来たので、私たちも教室に入った。

席に座ると、前の席は女の子だった!

(嬉しい!女の子だー!)

そして私は、後ろを向いた。

(やっぱり…。)

後ろには、案の定、篠原裕基くんが座っていた。
そうだよね。篠崎と鈴木の間に入るのは、篠原くらいじゃないかな…。

そんなことを思いながら、高3初日は終わった。

初日から数日が経ち、授業開始の日の朝。

杏「乃愛!今日からまたお昼一緒に食べよう!?」

乃「うん!いいよ!」

2年の時から、杏里と一緒にお昼は食べている。

杏「それでね。これから、隼人もお昼一緒じゃダメかな?」

乃「うん。大丈夫だけど、乃愛邪魔じゃないかな…。」

隼「大丈夫だよ!そうだ!乃愛、裕基も一緒に食べていいかな?」

乃「あっうん。大丈夫だよ。」

苦手なタイプだし、ちゃんと話せるか不安だな…。

隼「よかった。じゃあ、4限終わったら、杏里が5組に来てから、一緒に行こう!」

乃「うん。杏里は、大丈夫?」

杏「大丈夫!すぐ来るね!」

その時、裕基が登校してきた。

隼「おはよー、裕基!」

裕「おはよー!」

隼「今日からお昼さ、この4人で食べるから!いい?」

裕「あぁ、大丈夫。」

そんな会話をしていると、生徒会長の奈々が生徒総会について相談をしに来た。

奈「乃愛ー。生徒総会のこと聞きたいんだけど、今大丈夫?」

乃愛は杏里たちの方をみて

乃「ちょっと行って来るね!」

杏「うん。いってらっしゃい。」

ーーー乃愛と奈々が相談中ーーー

杏「ってか、裕基!彼女は大丈夫なの?」

裕「あぁ、昨日別れた。」

隼「はぁー。また別れたの!ってか、よく去年から乃愛のことが好きなのに他の人のこと好きになったり、付き合ったりできるよな。」

裕「仕方ねぇだろ。片思いって疲れんだよ。それに、付き合ったとしても、別れたくないんだ。ずっと守ってやりたいんだよ。」

杏「裕基の乃愛への思いは、本物だって分かるけど、そんな中途半端気持ちで他の人と付き合ってると、乃愛にもその人にも悪いと思うよ。」

隼「裕基が不器用なことはわかってる。お昼が一緒は俺たちが考えた。
少しずつ乃愛に近づいてみろよ!」

裕「あぁ。」

その時、乃愛が奈々との話を終えて、戻ってきた。

乃「何、みんなで話してたの?」

杏「ちょっとね。どこで食べようかなって思って…。空き教室とかいいかなって話してたんだよね!」

乃「そうなんだ!そうだね。空き教室でいいんじゃない!」

ピーンポーンパーンポーン

杏「じゃあ、またお昼ね!」

乃「うん。バイバーイ!」

4限が終わり、お昼の時間になった。

杏「乃愛〜!お昼行こう!」

乃「うん!」

隼「裕基行くぞ!」

裕「おう。」

隼人が裕基くんのところに行って、何かを話していた。

隼「裕基、行くまで杏里と話してるから、乃愛に自己紹介くらいはいておけよ!」

裕「えっ!マジかよ!」

隼「頑張れよ!」

裕「おう。」

杏里 隼人
乃愛 裕基

で廊下を歩いていく。

杏里と隼人は仲良く話している。

乃愛たちは、話すことないしな。

そう思っていた時。

裕「杏里と仲良いよね。去年も教室に毎日来てたし。」

乃「うん。結局3年間同じクラスにはならなかったけど…。」

裕「じゃあ、何で杏里とあんなに仲がいいの?」

乃「1年のとき、自習室で杏里が話しかけてきてくれて、同じアイドルグループが好きっていうことで意気投合して、こうなったって感じかな。」

裕「ふ〜ん。去年から、杏里と隼人と話してると名前がよく出てきてたから。」

そんな話をしていたら、空き教室に到着!

杏「で、2人は自己紹介とか出来たの?」

乃・裕「……。」

杏「出来てないの⁉︎はぁ〜。裕基!この子は篠崎乃愛。杏里の親友!呼び方は乃愛でいいよね⁉︎」

乃「あっ。うん。大丈夫だよ。」

杏「乃愛!こいつは、篠原裕基。隼人の親友。裕基でいいから。」

乃「うん。分かった。」

そんな強引な杏里による自己紹介は終わった。

それから、毎日乃愛たちは、4人でお昼を食べている。

私たち4人はすっかり仲良くなり、4人でいるのが当たり前のようになっていた。

月日が経ち、もうすぐ中間テスト。

杏里と乃愛は、テスト2週間前から部活はお休み。

だから、毎日夜遅くまで学校でワイワイ楽しくテスト勉強をしていた。

いつものように7時頃まで学校にいた。

乃愛と杏里はいつも下駄箱でお別れ。

乃愛は電車通学、杏里は杏里ママの送り迎え。

だから、いつものように下駄箱で別れた。

駅までの道のりを歩いていると、誰かに付けられているような気配がした。

ゆっくり歩けば、足音もゆっくりになる。

(誰かに付けられてる。)

乃愛は怖くなって、途中にある本屋さんに駆け込んだ。

駆け込むとき、視界に入ったのは、こっちをみている。

黒いフードを被った男だった。

本屋に駆け込むと、そこには奈々がいた。

乃「奈々〜。怖かったよ(>_<)」

奈「どうしたの⁉︎」

乃「あのね、あのね。誰かに後つけられてたの。」

奈「大丈夫だった⁉︎怖かったね。」

その後、奈々は駅まで乃愛を送ってくれた。

次の日、杏里たちにそのことを伝えた。

杏「杏里、乃愛を1人で帰らせなければよかった。」

乃「杏里のせいじゃないから!大丈夫だよ。」

隼「今日からテスト1週間前だから、俺も裕基も部活休みだから、駅まで一緒に行くよ。」

裕「隼人は、杏里の親が来るまで待ってるんだろ⁉︎じゃあ、乃愛は俺が送り迎えするから大丈夫だよ。」

乃「えっ!裕基に悪いよ!家逆方向なのに…。」

杏「乃愛、甘えてもいいんだよ。杏里も乃愛のこと心配だし、裕基なら安心して乃愛を任せられるし!」

乃愛は、この4人でいれて、幸せだなと思った。

この日も7時頃まで勉強をしていった。

杏「じゃあ、そろそろ帰ろうか!」

隼「そうだな。もうすぐ7時だし。」

下駄箱までみんなで行って、杏里と隼人とはお別れ。

杏「じゃあ、また明日ね!」

乃「うん。また明日ね!」

隼「裕基!ちゃんと駅まで乃愛を送ってやるんだぞ!」

裕「わかってるよ!」

杏里と隼人と別れた。

裕「俺、チャリあっちに置いてあるから、こっちから行っていい?」

乃「うん。大丈夫だよ!」

裕基のチャリを取りに行くために、駐輪場まで行った。

正門を出るまでに、何人かのクラスメイトとすれ違い、挨拶をした。

クラスメイトA「あっ!乃愛!バイバーイ!」

乃「バイバーイ!」

どのクラスメイトにもジロジロと見られていたなんて思いもしなかった。