「お、オムライスでいい?」

「うん!」

私から離れて元気よく言った

そして オムライスを作りにキッチンに向かった

「しょーう お母さん 今日はやいのー?」

「いや 今日は遅い」

私は翔のお母さんのことをお母さんと呼ぶ

小さいときからそう呼んでいた

いつからかはわからない

お母さんは会社の社長さん

だから 帰ってくるのは遅い日が多い

お母さんがいない間はわたしが翔のご飯とかを作る

「そっか じゃー 今日は泊まりにきなよ」

「そーする」

「うん! はい、オムライス」

翔の前にオムライスを置いた

「うまそー!」

「うまそーじゃなくて美味しいの!」

「へいへい いただきまーす!」

「どーぞ」

オムライスをスプーンですくいパクッと

口の中にいれた

「うめぇー さすがななみだわ!」

「はいはい」

無邪気にオムライスを食べる翔のことを

不意にも可愛いと思ってしまう

「ななみも食ってみろよ」

ハイと言いながらオムライスがのったスプーンを私に差し出してきた

私は素直にオムライスを食べた

「うまいだろ?」

「当たり前でしょ! 私が作ったんだから」

と笑いながらいった

そーだなといい 翔も笑った