「・・・は?誰そいつ。」

「へっ!?」


顔を見てみると、そこにいたのは・・・

「八雲先輩・・・っ。」


あの日、屋上で会った先輩だった。

ちゃんと考えてみれば悠斗は映画中だ。

来るわけがない。


声も口調も全然違うし。

なのに悠斗が来たなんて思っちゃって。


「もうちょっと断り方とかあるだろ。
あのままだと連れていかれてたぞ。」


先輩の目を見て分かるのは、

本気で怒っているということ。


「それは・・・そうですけど。
どうしたらいいのかわからなくて。」


やっぱり先輩と話すのは緊張する。

八雲先輩だからというわけではなけれど。