「ただいまー!」
千が元気よくパタパタと走って帰ってきた。

「おかえりなさい!それが札なの?」
千が手に大事そうに握っている赤と黒の板に目をやった。
するとニッコリ、
「うん!」
と言われた。

千尋は、可愛い。
あっそういうのじゃないけど!

『薬湯』を入れている最中に、ふと、さっきの人を思い出した。

「そういえば、ハク様がさっき此処に来て、千の事を探してたよ?」
千のポニーテールがピクッと揺れる。

「ハク!?ぐ、様が!?」

ここで私は察した。
二人は名前で呼び合う関係だったのかあ。
ふーん。
私はニヤニヤして千を見た。

「あ、あとで探してみる…っ。」
千は林檎の様に頬を赤らめた。

「ハク様って綺麗な人だね。」
失礼だけど、一瞬女の人と見間違えてしまった。
だけどそれだけ美しいってことだよね!

「うん。とっても、綺麗な竜…。」
うんうん。


































竜?