朝ごはんを食べ終えて仕事に向かおうとすると、兄役に声を掛けられる。

「姫。湯婆婆様がお呼びだ。」
湯婆婆が私を…?
湯婆婆に会うのは、千尋と、働かせてくださいと頼んで以来だ。

「分かりました。今行きます!」

゚・*:.。❁

湯婆婆の部屋に入ると、何の気配も無いのにいきなり体が引っ張られた。
(嘘でしょ!?何なのこれ…)

ドンっ

ある人とぶつかり、その力は消えた。

「ご、ごめんなさ…」
「姫?」
「え?」
顔を上げると目の前にいたのはハク様。

「ハク様!?とんだご無礼をお許しください!!」
(うわあクビになるのかな…。そんなのイヤー!)

必死にペコペコしている私を見てハク様は微笑み、
「そなた、怪我はないか?」
と、優しく頭を撫でてくださった。

鼓動が高鳴ったのは言うまでもない。

「湯婆婆様。私達を呼んだのには何か御用があるのでは?」

ハク様が湯婆婆に言う。
(ハク様も呼ばれてたんだ…。)

湯婆婆はご機嫌そうに笑うと、とんでもない事を口にした。

「今日から姫を大湯女にするよ。」

大湯、女?