すると春斗さんは折れたのか


「失礼します…」


あたしにスーツのジャケットを渡してベッドに入った。


あたしはジャケットをハンガーに掛けながら


「熱、測り終わったら言ってください。


薬も飲まなきゃいけないですしあたしは今からおかゆ作ろうと思うので。


卵とか大丈夫ですか?」


そう問い掛ければ春斗さんはベッドの中から





「ネギ…。」






「はい?」


あまりにも小さい声でうまく聞き取ることができない。


すると春斗さんはあたしと視線を合わせないまま


「…ネギはいれないでください。」


聞き取れるか聞き取れないかくらいの声でそういった。