「なぁ、飯行こうや。」
「あたし、まだ終わってないんだけど。」
「手伝うやん。」
珍しい。
同期の彼が私に優しいなんて。
「………何が目的?」
疑いの目を向けて聞いてみる。
「なんやねん!俺だって優しい時だってあるわ!」
「あんたが優しい時は大体なんかある!」
「なんもないわ!飯行きたいって言うてるやん!」
こいつといると、なんだかいつも言い合いになってしまう。
私はただ素直になれないだけなんだけど。
「………いいよ。まだ時間かかりそうだし、誰か他誘って?」
本当は、ご飯に誘ってくれるのが嬉しかったのに。
「なんやねん!お前と行きたいって言ってんねんやん。わからんの?」
………そんな事言われると、勘違いしちゃうじゃないの。
彼をそっと覗き見れば、ちょっと口を尖らせてチラチラと私を見てる。
「………じゃあ、これお願い。」
「うん。」
「どこ行くの?」
「お前の好きなとこでええよ。」
「………じゃあ、イタリアンバル。」
「………焼きそばと唐揚げあるとこがいい。」
ガキか?!
「じゃあなんで私に聞くのよ?!」
「お前の好きなとこやったらええとこなんかなぁって思うやん!」
「はぁっ?!」
「………好きな奴が、好きなとこやったら間違いないやろ!」
「………えっ?!」
「はぁっ?!」
この恋は成就しても、問題はまだまだ続きそうです。