「じゃあ午後も頑張りなよ」




「ふふ、大地もね」




今から外来の大地と別れて、
病棟の方へ向かっていると女の子が中庭に出ようと扉を押しているのが見えた。


小児科の子、だよね………




うちの病院は小児科、と言ってもその子の病気や怪我に合わせて内科や外科の先生が担当になることも少なくない。


だから顔を合わせることも多いのだ。





「………こころちゃん?」




見覚えのあるその子の名前を呼ぶと、
こころちゃんはビクッと肩を上げた。