「あきー、早くー。」
学校について早々、私の大親友 井川 真希(いがわ まき)が私の名前を呼ぶ。
私は、井上 秋(いのうえ あき)。
高校二年生になったばかり。
数日前に始業式があり、
それと同時に私の大っっっ嫌いなグラス替えがあった。
私と真希ちゃんは小学校のからの付き合いでクラスもずっと一緒だった。
そのせいか
毎年、真希ちゃんとは一緒のクラスになれるって少し自信があったの。
実際、今回も私達の期待を裏切らなかった。
見事に同じ2年一組。
初めてクラスの皆を見たときは知らない人ばっかりで少し心細かったけど、
今となっては真希ちゃんがいるから全然平気!


教室について自分の机で支度をしていらると、
入口に立っている真希ちゃんに呼ばれた。
「なにー?」
急いで真希ちゃんに近寄ると、目の前には、
学年一のモテ男くんと呼ばれる

立花 翔(たちばな かける)くんが立っていた。

「どーも。」
意外と低い声の立花くん。
「立花くん」は、成績優秀でテストではいつも学年トップ。
それに加え、スポーツ万能。
これだけでも十分すごいのに、栗色のさらっさらの髪に、
180㎝という長身。
そして、顔は本当に整っている。
テレビに出てる人に届きそうなくらい!
そんな人が今、私の目の前にいる。
「え?な、なんで?」
私の頭の中はハテナマーク。
何であの「立花くん」がいるの?
私が慌てていると、立花くんが口を開いた。
「俺達付き合うことになったんだ。」

「この事を秋に言いたくて言いたくてうずうずしてたんだよ。」
??
真希ちゃんまで変なことを言ってる。
よく分からない…。立花くんはどうやって真希ちゃんと知り合ったの?
付き合うって…?