「奴については互いに因縁があるようだな」

 ベリルは辺りを見回し、バイクを見つけて歩み寄る。

「まあな」

 それに苦々しく返して破壊された街を眺めた。

 同じブラスト・マニアでも、その意識はあまりにも異なる。

 とはいえ、サヴィニオをブラスト・マニアと認めている訳じゃない。

 自ら名乗ることはない俗称ながらも、それなりにプライドというものがある。

 奴には等しく「爆弾魔」という名が相応しい。

 サヴィニオはテロリストや武装集団に自身の技術を売り渡し、大金を得ている。

 それを相手がどう使うのか明らかだというのに、利益になると思えば構わず──否、あえてそれを楽しんでいるようにも見える。

 このことから、互いにサヴィニオの行為を容認出来ないといったところだろう。