部屋に戻ってきた唯衣と流川は、

 案の定、布団にちゃっかり寝ているオレを見て笑った。


 どうやら流川は飲みすぎたらしく。

 隣りの布団にごろりと横になり。


 あらら。

 唯衣、赤くなりながら水を飲ませている。


 そのうち唯衣が部屋を出ていって、

 オレと流川だけになった。


 流川はしばらく眠っていたけれど、


「ふ…くぅ…」


 伸びをして、起き上がった。


 布団からオレを引っ張り出した流川。


「ん? アイツどこ行ったんだ? 風呂か?」


 独り言をつぶやいて、オレを抱えたままTVの電源を入れた。


 流川…

 酒くせぇよ…


 オレの頭に肘をつき、ぼんやり画面を眺める流川のカラダからはアルコールの匂いが立っている。


 唯衣が戻ってくると、なにやら幽霊話。

 驚かされた唯衣は、オレを抱いたまま流川に飛びついた。


 く…くるしい…

 おもいっきりエルボー入ってるし。


 泣き出した唯衣をなだめた流川は、

 オレと唯衣を抱き上げて、布団に寝かせた。


 真っ暗になった部屋。

 唯衣とオレ、ひとつの布団。


 う~ん。

 一人で寝てたさっきの状態もそれなりに心地よかったけれど、

 やっぱりこうやって、唯衣に抱かれて眠るほうがいいな。


 肩の上は流川のほうがいいけれど、

 一緒に寝るのは、やっぱり唯衣だよな。