「大宮怜さん、任意同行、していただけますか」

「…えぇ、分かりました」

 父親は、いつの間にか現れた警官に囲まれていました。

 そして、関口は暴れて逃げようとしたのか、取り押さえられてしまっています。

 その指揮を執っていたのは、広西さんでした。

 そんな様子を熱心に撮影する報道陣の方々。何だか大騒ぎになり始めました。

「「よも!」」

「よっもぎ~!」

「よもぎちゃん!」

 駆け寄って来てくれたお母さんと剣人さん、俊也さん、颯人さんに浮かんだ涙を拭って笑みを向ける。

 私を育ててくれた大切な人たち。

 笑った私に、みなさんは自分まで涙を浮かべて、笑い返してくれました。