静まり返った会場。どれだけ時間が過ぎたのだろう。
不意に手を叩く音が聞こえる。
それは報道陣の中に伝染して、やがて会場は拍手で包まれる。
その拍手が向けられているのは、私…?
「晴野!」
「やったね!」
神野くんと雷斗くんが駆け寄ってきて、背を叩いてくれた。
本当に、終わった?な、ならお父さんは…。
「晴野清牙さん、あなたの無実が証明されました。よって、あなたを釈放します」
傍にいた職員がお父さんの手についた手錠を外す。お父さんは手錠を外してくれた職員に頭を下げると、私に視線を向け、微笑んでくれた。
「よくやってくれたな。流石、俺の娘だ」
「ッ…お父さん」
「ありがとう。助けられたな」
ぽんぽんと頭を撫でてくれるお父さんに、我慢しきれなくなってお父さんの腕の中に飛び込むと、力強く抱きしめてくれる。
終わったんだ。全部、守れたんだ。
そう思うと、余計に涙が溢れだして、止まらなくなってしまいました。