突然女の声に変わった私に、事情を知っている人以外の目が見開かれる。

 ポケットから手を離し、その手を頭に持っていく。

「俺は…私は、晴野蓬。…しがない情報屋をしている女子高生です。以後、お見知りおきを」

 頭にかぶったウィッグを取って、軽く頭を振り、身を見開いたまま固まる父親に微笑みかける。

 動揺しているのは、蓬として連れてこられた女の子。
 あたふたとしながら父親と関口を見比べている。

「ねぇ、私も聞いてもいい?なんで、私を連れ戻すためにここまでしたの?」

「ッ…」

 父親は口を動かした後、すっかり俯いてしまいました。

 関口は、終わったというように席に倒れ込むように座ってしまう。