「え、遥人くんって中1なんですか!?」

「はい。繁華街でうろちょろしてたら焔さんと雷斗さんに拾われました!」

 元気よく答えた遥人くん。
 じゃなくて、中1だったんですね。私はてっきり中3だと…。

 なんだか盛り上がってしまってきゃっきゃとおしゃべりしています。

 何ででしょうね。
 遥人くんには何か近いものを感じるんです。なんて言うんでしょうか…。

「そういえば、遥人くんはどうして繁華街に?」

 そう尋ねると突然口をつぐんでしまった遥人くんに聞いてはいけなかったと今さら気づく。

 でも、もう遅くて遥人くんは頭を掻くと苦笑いを浮かべました。

「俺、母子家庭なんですけど…。母親に反抗して、家に帰りたくないっつうか…」

「そう…なんですか。お母さん心配してるんじゃないですか」

「してると思います。でも、俺、母親のこと嫌いなんです。…俺、地元ここじゃなくて、この前引っ越して来たばっかなんです。しかも、母親が探してる子がここに居るかもしれないとか言い出して突然…」

 遥人くんは地元が恋しいのか悲しげな顔をしていました。

 そんな表情を見ていられなくて、頭を撫でると遥人くんは驚いたように目を丸くしましたが、そのまま大人しくしていました。