「俺さ、中学一緒と言っても、3年のしかも11月に初めて話しかけたんだ。同じクラスだったのに、いじめ止めれなくて、よもちゃんを助けられなかった」

 遠くを見つめる大宮は、表情には現さないが痛いくらいに拳を握っていて、後悔しているみたいだ。

 もっと早くにいじめを止められなかったこと、声をかけられなかったこと。

 全部に対して。

 あんまり気にくわない奴だけど、悪い奴ではない。

 晴野がなんだかんだ言って笑って話してくれる奴だから、悪い奴ではないのは当たり前だけど。

 しょうがねぇか…。

「…でも、仲いいんだろ?たまに、お前のこと話してた。中学から唯一信じられる友達だって」

「え、よもちゃんがそんなことを?」

「ま、バカとも言ったけどな」

「っぐ…」

 いい気ばっかにはさせてやんね。

 うなる大宮から視線を外して、自分のことを考える。