秋空side
大宮と2人で公園のベンチで晴野…じゃなくて、情報屋を待つ。
大宮は情報屋を見て晴野だと気づくだろうか。
いや、こいつバカだから気づかねぇなきっと。
「なぁ、神野」
「あ?」
「よもちゃん、大丈夫だと思うか?」
「…さぁな」
昨日、風呂から出た時、晴野は怯えるように部屋の隅で震えて泣いていた。
でも、俺がいることに気づいた瞬間抱きついて来て、大声で泣きはじめた。
泣きながら、監禁されていた間のことを教えてくれてた。
ずっと、我慢して、耐えてきた日々を。
つい昨日まで地獄のような日々を送っていた晴野が動き出そうとしている。
支えてやるのはもちろんだが、緊張の糸が切れないままで過ごさなければならない。
晴野がいつか壊れてしまいそうで怖かった。