「……行くぞ」



私が思い付くよりも先に、和君がそう言って歩き出す。

え…いいの?



「一緒に帰っても…いいの?」


「勘違いすんな。一緒に帰るわけじゃない。俺もこの方向だから」



どうやら、同じ方向までは一緒に歩いてくれるみたいで、思わず頰が緩んでしまう。


やったっ…!

前を歩く和君に小走りで駆け寄り、隣に並ぶ。


なんだか…昔に戻ったみたい…。



『雪、手』


『…?』


『繋ごうって言ってんの…』



昔の光景がフラッシュバックし、いろんな感情が入り混じる。