和君が、いるのにっ…。


触らないで…と喉の奥まで出かかった言葉が詰まる。


嫌悪感しか沸かなくて、思わず目をぎゅっと瞑った。



「おい真人。やめろ」



…和、君…?


愛しい人の声と共に、離れた瀧川先輩の腕。

和君が振り払ってくれたようで、胸を撫で下ろす。

助けて…くれたの?


顔を上げて和君を見つめるけど、彼は私を一切見ようとしない。