多分これは…社交辞令だ。
お世辞満載な台詞に、思わず一歩後退る。
「あれ?警戒されてる?」
そんな私に気付いたのか、彼は「ショック〜」と語尾を伸ばす。
こ、言葉と態度が合ってないです…。
絶えずニコニコしている瀧川先輩に、そう言いたくなった。
「ねぇねぇ、雪ちゃんって彼氏いんの?」
今日何度目かの質問に、恐る恐る口を開く。
「え、えっと…いません」
「え!マジで!じゃあ俺とかどう?」
…っ!
こ、この人…本当に軽い…!
瀧川先輩は、そんなことを言いながら私の肩に腕を回してきた。
驚きで身体は硬直し、何か言いたいの何も言えない。