……なんて思いながら鏡越しにリィを見ると、ぱっちりと開いた翡翠色の瞳と目が合った。

「……ん?」

 なんかビックリしてるみたいな目だな。どうした。

 鏡ではなく横を向いてみると、リィも横を向いて俺を見た。

 歯ブラシをくわえたまま目を見開くという、なんか間抜けでかわいい顔をしたリィと見つめ合うこと数秒。

 と、突然に。

「うひゃう!?」

 さわっと脇腹を摘まれた。更に上に向かって脇下まで撫でられた。

「ひょほおおおー! にゃにっ……にゃっ、ひゃっ、ひゃぎゃー! りぃぃい!」

 更に二の腕やら首やら肩やら胸やら、さわさわ、さわさわ。

 触り方が優しいので、非常にくすぐったい。最初に一番弱いところを攻められたせいで、他の場所も過剰反応してしまう。

「なんらよ! ひゃわるにゃらもっとがっちゅりしゃわれ! ひょのしゃわりかちゃはやめっ……うっひょおおっ、あふわああああっ、りーふぁあああーああぁんげほっ、ごふごふおっ、おえええええー」


 ……なんか知らないけど、妹に真顔で襲われたよ。

 別に襲ってきても返り討ちにしてやるからいいけど、歯磨き中はやめろ。吐くぞ。