その答えに、リィもシンもほっとした。けれど。
「でもほぼ決定のようなものですわよ。ユグドラシェルの血を残すには、第一皇女のわたくしと、グリフィノー家嫡男のシンが婚姻を結ぶのが妥当ですもの」
「い、いや、ちょっと待て! 俺とお前は従兄妹同士だろ!」
「従兄妹なら問題はございませんでしょう。それに……皇家に限っては、兄妹であっても問題はありませんわ。より純粋な血を残すためには」
さらりとそんなことを言うシャルロッテに、シンとリィは彼女との根本的な倫理観の違いを思い知らされる。
ユグドラシェルを継ぐために教育を受けてきた彼女と、自由奔放に生きてきた自分たち。彼女の当たり前は、自分たちの当たり前とはほど遠い。
「他から血を入れますと、血が薄れるだけでなく、余計な外威を作ることになります。過去の例から言って……それは避けたいところですわね。そのための公家創設ですから」
「……そっか」
住む世界が違うのだ。シャルロッテの言い分に何を感じようと、それを否定することは出来ない。自分たちに流れる星の王の血が、綺麗なだけでないことも知っている。
ただ、シンはそれとは別に、シャルロッテにはきちんと言っておかなければならなかった。
「でも俺は、もう相手は決めてるから」
「……はい?」
シャルロッテは微笑んだまま、首を傾げた。
「もう嫁にする女は決めてる。だからお前との結婚は無理だ。公家とかも継ぐ気はない。惑星王や皇后陛下にもそう伝えといてくれ。……あー、その話するために来たのか? 父さんたちにはバレてるはずなんだけどな。ちゃんと直接確認してこいってことか? お前も大変だよな、家のせいで喧嘩友達の俺と結婚話持ち出されちゃあ。でも安心しろ、俺にはもう相手がいるから。お前も好きなヤツと一緒になれよ」
その言葉に、シャルロッテは微笑んだまま動かなくなった。
「でもほぼ決定のようなものですわよ。ユグドラシェルの血を残すには、第一皇女のわたくしと、グリフィノー家嫡男のシンが婚姻を結ぶのが妥当ですもの」
「い、いや、ちょっと待て! 俺とお前は従兄妹同士だろ!」
「従兄妹なら問題はございませんでしょう。それに……皇家に限っては、兄妹であっても問題はありませんわ。より純粋な血を残すためには」
さらりとそんなことを言うシャルロッテに、シンとリィは彼女との根本的な倫理観の違いを思い知らされる。
ユグドラシェルを継ぐために教育を受けてきた彼女と、自由奔放に生きてきた自分たち。彼女の当たり前は、自分たちの当たり前とはほど遠い。
「他から血を入れますと、血が薄れるだけでなく、余計な外威を作ることになります。過去の例から言って……それは避けたいところですわね。そのための公家創設ですから」
「……そっか」
住む世界が違うのだ。シャルロッテの言い分に何を感じようと、それを否定することは出来ない。自分たちに流れる星の王の血が、綺麗なだけでないことも知っている。
ただ、シンはそれとは別に、シャルロッテにはきちんと言っておかなければならなかった。
「でも俺は、もう相手は決めてるから」
「……はい?」
シャルロッテは微笑んだまま、首を傾げた。
「もう嫁にする女は決めてる。だからお前との結婚は無理だ。公家とかも継ぐ気はない。惑星王や皇后陛下にもそう伝えといてくれ。……あー、その話するために来たのか? 父さんたちにはバレてるはずなんだけどな。ちゃんと直接確認してこいってことか? お前も大変だよな、家のせいで喧嘩友達の俺と結婚話持ち出されちゃあ。でも安心しろ、俺にはもう相手がいるから。お前も好きなヤツと一緒になれよ」
その言葉に、シャルロッテは微笑んだまま動かなくなった。