魔銃を受け取ったリィは、不敵な笑みを浮かべた。

「ウィスプ」

 そうして召喚したのは光の精霊ウィスプ。シンがタイマントーナメントの時に見せた『精霊憑依術』だ。

 身にまとったウィスプのおかげで、赤い髪が金色に逆立つ。防御力の高いウィスプに包まれたリィは、クローリス、ヴィオラとともに踊る。

 リィも精霊憑依は出来る。だが身体に過度の負担がかかるため、あまり無理には動けなかった。

 けれども鍛え上げられたシンの体ならば問題ない。

 くるくると高速回転しながら次々に銃弾を飛ばし、なおかつ蹴りを挟んだ遠近同時攻撃に、男たちは次々と沈んでいった。



 戦闘開始から僅か。

 夕暮れ迫る街には、いつもの静けさが戻ってきた。


「終わったね」

「ああ」

 武器を下ろし、双子は一息つく。

「お前、なんか面白いことやってたな」

「シンも、いつもよりいい動きだったね」

 そう言って、お互いの顔をしばらく見つめ合う。

 なんだか新しい技が見えてきそうだった。入れ替わって初めて、良かったとも思えた出来事だった。