「修二さん。見紅さまをお連れしました。」

     「おぉ!見紅~」

     「おぉ!じゃないわよ。なんなのよ。婚約者って!」

     修二=くそオヤジ。

     「うん?駄目だったかい?」

     「うん。駄目だった。」

     「?!何故だい?こんないい男をっ!!」

     「う~ん。確かに顔は合格なんだけど、この人。いくつ?」

     「26だが?」

     「私、自分より8こも上の人とは…もう少し、若い方がいい。」

     「わがままな娘だなぁ。けど、今回はもう決めたから。」

     「は?」

     「おまえはここにいる“佐伯ライ”と、結婚する。」

     「…あぁそう。」

     「それでな?式、いつがいい?」

     「…卒業してから。…6月?」

     「何を言っている!!もう、明日でもいいというのに。」

     「じゃあさ、ライさんが、ミクのこと落とせたら。でいい??」

     「はい?お前が落ちなかったら?」

     「いつまでも、“婚約者”かな。」

     「…まぁ、好きにしなさい。」

     「ありがと。」

     「2人が暮らす部屋のカギだ。マンションは…佐伯、お前知ってるな?」

     「はい。」

     …2人?…あたし、このライってやつと暮らすの??