「何でよ……何で?何でお母さんが謝るの?
悪いのは私じゃん……」


私が悪い、お母さんが謝る
必要なんてない。

「ううん。
涼はちゃんと"嫌だ"って言ってくれた
それなのにお母さんの結婚式の
サプライズを無理して手伝ってくれた
子供に無理させちゃったのよ、お母さん。
母親失格ね……」

そんな私の思いとは逆に
お母さんが言った。

「涼が"嫌だ"って言うのなんて珍しいかった
珍しいからこそ……
今の人に言えなかったんだよね?
それに涼は今は受験生でこんな時期に……
気持ちだって追いつかなかったよね」


図星だった……

何も言い返せない。

お母さんは、私を責めないんだね。