「つーかさ、さっきからすっげーいい匂いしてんだけど」
『…あ…ごはん…作ったので…多分』
揚げ物の匂い…かな。
「はっ!?まさか、さくらが作ったの?」
『…はい』
「食うっ、絶対食いたい」
ドキッ――久しぶりに見る無邪気な笑顔に
過去に置いてきた胸の高鳴りが再び鳴った。
『……あ…じゃあ温め直しますね』
「マジで?よっしゃ。じゃあ先風呂入ってくるわ」
『あ…はい』
たまちゃんの城壁も虚しく
龍平さんはぱっぱと靴を脱いで
そのまま脱衣所に入ってしまった。
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