たまちゃんに教えることが自分の勉強の復習にもなった。


『これね、こっちに移動して…そう』


「ああ、なるほどね」


『たまちゃん覚えがいいから、もう大丈夫だよ』


「いや、さくらの教え方が絶妙なだけ」


『そうかなぁ?』


「うん、わかりやすい」


『本当?良かったぁ…』



数学はなんとか大丈夫そうだと思った私は、次の教科へ移ることにした。



『物理はこのノート使って?』


「なにこれ」



私がたまちゃんに差し出したのは

各教科で要点だけをまとめたルーズリーフで作ったノート。



『これを暗記すれば、多分半分以上は取れると思うから』


「…神」


『ふふっ、大げさだよ…じゃあ、始めよっか』


「ん」



時刻は22時をとうに過ぎて――

もう間もなく23時になろうとしていた。