勉強道具一式をリビングに持ち込んで
たまちゃんは早速勉強を始めた。
私はキッチンを借りて
持ってきたエプロンを着けて夜ごはんの準備を開始。
たま美さんはダイニングテーブルに座って
私とたまちゃんの様子をにこにこしながら眺めている。
『たまちゃん、ごはんは20時くらいになりそうだから、それまで数学の応用問題ね』
エビの殻をむきながら、私はたまちゃんに指示をした。
「えー…数学は後でやる」
『だめ』
数学はたまちゃんが一番苦手な教科。
ああ言ってるけど、多分やらない。
『ごはん出来るまでに数学やらないと、たまちゃんだけエビフライ無しだよ』
「やる」
『…ふふっ』
子供のようなたまちゃんがかわいい。
猫背になった後ろ姿に、胸がキュンッとした。