「バカ、そういう意味じゃないっつーの
さくらがかわいいからどこぞのアホな男に
とられないか心配なの」
『……私、かわいくないよ?』
良くも悪くも普通だと思う。
たまちゃんみたいに背も高くないし、顔も派手じゃないし。
「はあ?さくらがかわいくなかったら何がかわいいのよ。もっと自覚して」
『……うう』
お、怒られた…。
「どうせ気づいてないだろうけど
高校にもさくらのこと狙ってるやつ
いっぱいいるんだからね」
『……は、はあ』
それって、たまちゃんの気のせいじゃ…。
「きめ細かい色白のもち肌で
小動物みたいな黒目がちのくりくりの目して
そんなふわふわの甘い空気出して…ああー…
マジで勘違い野郎のにやけ顔が目に浮かぶわ…クソっ」
たまちゃんが暴走してる。
よくわからないけど
たまちゃんの私に対する贔屓目は親以上だということだけはわかった。