「唐揚げもエビフライもハンバーグも全部、すっげー美味かった」



『……はい』




そっと、ドアに触れた。


目を閉じると

簡単に龍平さんの存在を感じる。




「まさか、家にいるなんて思わなかったから正直びびった」


『……』



そんな風に、見えなかった…。



「でも、嬉しかった」


『…えっ』





「さくらに会えて、嬉しかったよ俺は」






『……っ』


「…さくらは、会いたくなかっただろうけどさ」


『………』




何も…言えなかった。