ガチャンッ――

たまちゃんは部屋のドアを閉めたと同時に、私に頭を下げた。




「ごめん…本当に、ごめん」



たまちゃん…。



『ううん…だからもう、気にしないで?』


「違う、そうじゃなくて」



たまちゃんの顔を下から覗くと

複雑そうな顔をしていた。




「あたし…一瞬でも、嬉しいと思った」




『…えっ』


「さくらとにいが喋ってるの見て…嬉しいって思った」


『…たまちゃん』


「ごめん…さくらの気持ち全然考えてないね。

お風呂入ってくるわ」




たまちゃんは、そう言って

私から逃げるように部屋から出て行った。