「にい、あたしらもう寝るから」 『えっ』 リビングにいたたまちゃんが、急に私の腕を掴んだ。 「じゃあね、おやすみ」 龍平さんの口を挟む隙を与えずに。 『わっ、たまちゃん待って』 がっちりとたまちゃんに掴まれた私は 引っ張られるようにリビングから出ようとしたところを。 「さくらっ」 寸前で、龍平さんに呼ばれて たまちゃんの足もピタッと止まった。 『…は、い?』 箸を持ったまま、椅子から立ち上がった龍平さん。