「さくら、悪いな」




ビクッ――

カウンター越しに、龍平さんの声がして我に帰った。



びっくり…した…。

お風呂、もう上がったんだ…。





『…いえ…残り物ですけど…』


「サンキュ」




動揺してるのを悟られないように

黙って、温めたおかずをテーブルに並べていく。




「うわっ唐揚げ。エビフライもあるじゃん。ハンバーグもって…完全にたま子のリクエストだろ、これ」


「悪い?」


「いーや。最高っ」


「…フンッ」