「龍喜…なんでそれ……。お前なのか…」


月季さんの上手くまとまらない言葉にこれ以上の話は無用だと思った




「お2人が考えている通りですよ。
…“虎”8代目総長 緒方龍喜です」

見開かれた目
出ない言葉
動かない身体

「ついでだから言うけど、たつが総長で俺は副総長をしてる。兄貴たちには悪いけど俺は兄貴たちとは違う生き方をする。」



月唯の気持ちはずっと揺れ動いていたんだと思う

正直なところずっと迷っていたはずだ

警察一家で育った月唯にはこの世界にいることがどれだけの負担になり、どれだけの悩みの種になったのか



巻き込みたくはなかったし、巻き込むつもりもなかった

月唯は正当な道を歩いていて欲しかった