「月唯が言ったじゃないですか。『試合にはなるように』って。
…全然相手にならないんですけど」
苦笑いだったと思う
それか笑顔が引きつってたはずだ
そんな俺を凝視する2人との間に強い風が吹いた
「お前っそれ…」
「…嘘だろ」
「蒼いピアスに気をつけろ
逃げ出すのなら今のうち
…知りません?」
2人にはきっと俺の左耳についているシンプルなデザインの蒼いピアスが見えたはずだ
これは
この街の厄介者の証
「「虎…」」
重なった声は風に消えた
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