少し息があがってきた頃

隆が足止めをしていてくれたおかげであと少しのところまで来ていた



奥に進むにつれてまだましな奴らになっていく

でも、そんなの関係ない


俺の前に強いか弱いかなんて関係ない




今夜狩る相手だけが俺の意識に入り込める

ドカッ

ドスッ

ガンっ


人を殴る鈍い音が辺りに響き渡る
その音さえも耳障りで仕方ない





























「お前か
山代組組長 山代眞平」

やっと見えた今夜の獲物に目を光らせる
俺を見てか、その汚ねぇ目は恐怖を映す



…なんだ。こいつもか












呆れた










どいつもこいつも









くだらねえ奴ばっかだ









「…ぉ、お願いだ!殺さ「死ね」 」
















バァンッ









「龍喜!…」
すぐ後に来た隆は言葉を発さなかった

「隆…」

「ん?」








「くだらねぇな」