学校を後にした私たちは、次の場所に向かう。
そこは、小さな動物公園。
その入り口ゲートに、次の手紙は置いてある。
『おめでとう!
よくぞ、ここまで辿りついてくれました!
愛のパワーだね。
初めてのデートできたこの動物公園。
小さいところだから、ゾウとかキリンはいないけど。
ものすごく楽しかったことを覚えてます。
初めて手をつないだのも、別れ際の初めてのキスも。
私は、きっと一生忘れません。
次が最後です。浩太が、私にプロポーズをしてくれた場所に来てね。 ゆめか』
「俺も、全部覚えてる・・・。忘れ、られないよ」
くしゃと、音を立て手紙が皺を作る。
泣いているような、笑っているようなそんな表情を浮かべた池野さんが、手紙を抱きしめた。
「浩太・・・」
届かない声がもどかしい。
こんなに近くにいるのに。
言えないことがもどかしい。
ここにいるよ、って言ってあげたいのに。
「行きましょう。最後の場所に」
「でも、プロポーズの場所って・・・」