「付き合わせてしまったようでごめんなさい、どうしても一度手を合わせておきたくて…。」

もうしわけなさそうに頭を下げる彼女に、素敵なことだと思います、本当に。とだけ伝えて、しゃがんだ。


この辺でいいですかねとお互いが指差したのはちょうど正面から見て真ん中の根の先あたりだった。


またニコッと笑ったあと、
彼女は持った手提げからタオルを出して、ここに寝かせてあげましょうといい、私もそれに頷く。



「えっと、これ!スコップ二つあったので持って来ちゃいました!」

「ありがとうございます。」


渡されたスコップは赤くて先端の尖ったよく見る家庭菜園用のもので、彼女の手元を見ても、赤い色がキラリと笑う。




優しい風がふいて、
猫も安らかな顔をして。


私たちは、スコップを片手に地面を掘り起こした。