それはいたって、
普通といえば普通。


ありがちといえばありがちで。



道端で猫が死んでいた。
車に轢かれるわけでもなく、
木陰でひっそり、死んでいた。


猫がいて、触れようと、寄ってわかった。本当に眠るように、死んでいた。



猫は、自分が死ぬ時姿を消すらしい。
それはすごく胸が痛くなるような話で。



「本当に馬鹿だけど、どうしようもない馬鹿だけど、なのに、いいやつだね。本当に。」


なんて、気づけば声をかけていた。




愛もエゴも、やっぱり変わらない。
姿を消したのもそう。



お前も私も、変わらないねなんて。
でも君ほどいいやつじゃないと、
とりあえず笑う。ごめんね。