「あーちゃん、夏終わったのに暑いね」
「お前がバカだからじゃないの?」
「やっと口開いてくれたと思ったらこれだからほんともう…でも、そんなところも好きだよ。」



幸せだなって、ただそれだけで、
私の好きに嘘も嫌味も本気も、ひとえにないはずだった。



毎日好きだよという言葉で遊んで、
それはでも決して嘘ではないけれど、
私があなたに好きだと言って、
あなたが私をあしらって。


そんな毎日が変わったのは、
悲しいくらい清々しく晴れた、
梅雨の終わり。



雨が降り続けた東京を照らす、
夏の始まりの空。



あーちゃん、あーちゃん、
覚えてるかな。