これは、夢だ。
分かりきっている。


今は、はっきりとわかる。
これは、夢だ。



辺りを見渡したいのに、
両目が開かない。


でも、目を開けても光はなさそうだ。
薄暗い、冷たい静けさ。



どうせ開かないなら、
どうせ開けても暗闇ならと、
そのまま堂々と歩く。




泣き声のする方へ。





ひたひたと、足音が空間に響き渡る。
それはやけに鮮明で、まるで孤独や恐怖をあおるようだった。