「おい。」


私の背中の方から低めの声がした。


「ソイツ、嫌がってるだろ。」


彼はそう言って男の子が掴んでた私の手首の手を引き剥がした。


するとその男の子は、


「なっ……!谷咲じゃねぇかよっ……」


そう言って悔しそうな顔をしながら奥へと走って行った。



「あ、ありがとう、ございますっ!」


良かった!助けてもらえた!


私は頭を下げて彼の顔を見た。



「わぁー……。」


すっごくキレイな顔!!


彼の顔は、綺麗に整えられてて。


ちょっと無造作な黒髪が、


印象的だった。